土質調査の試験と使い道を整理|標準貫入・コーン・CBRと過去問解説【土工①】

土質調査の種類と試験の使い道 土工

「標準貫入試験はN値」「コーン貫入試験はコーン指数」。名前と数値は覚えていても、それを何に使うのかと聞かれると、迷ってしまうことはありませんか。

土質調査の学習では、「何を調べる試験か」「どんな結果が得られるか」「設計や施工にどう使うか」をセットにすると、整理しやすくなります。

この記事では、土木施工管理技士の試験対策として押さえたい原位置試験と室内試験を紹介します。最後に、過去問4問の要点と解説で理解を確認できます。

この記事で整理すること

  • 土質調査の目的と進め方
  • 主な試験で測るものと、その使い道
  • N値・コーン指数・締固め度・CBRの違い
  • 過去問で間違えやすい組合せ

土質調査とは?地盤と土の性質を確かめる調査

土質調査は、地盤や土の性質を調べ、構造物の設計や工事の計画に必要な情報を得るために行います。

例えば、盛土をする場所では「下の地盤が沈下しないか」、掘削する場所では「地下水がどの程度出てくるか」、道路を造る場所では「路床が荷重を支えられるか」といったことを検討します。

同じ場所でも、調べたいことによって必要な試験は変わります。一つの試験だけで、地盤のすべてが分かるわけではありません。

原位置試験と室内試験の違い

  • 原位置試験:現場の地盤を、その場所で調べる試験。標準貫入試験、現場密度試験、現場透水試験などがあります。
  • 室内試験:採取した土を試験室で調べる試験。含水比試験、粒度試験、締固め試験、圧密試験などがあります。

ボーリングは地盤に孔をあけて地層を確認したり、試料を採取したりする調査方法です。その孔を利用して、標準貫入試験などを行います。

調査は「資料・現地・試験結果」をつなげて考える

  1. 既存資料を集める:地形図、地質図、過去の調査記録などから、地盤の特徴を把握します。
  2. 現地を確認する:地形、露出した地層、湧水、周辺の構造物などを見て、調査すべき点を整理します。
  3. 必要な調査・試験を行う:目的に応じて、ボーリング、原位置試験、室内試験などを組み合わせます。
  4. 結果を設計・施工に使う:支持力、沈下、斜面の安定、排水、使用する土の適性などを検討します。

調査の名称や区分は計画によって異なりますが、「資料を読む→現地を見る→試験で確かめる→判断に使う」という流れを押さえておきましょう。

主な試験の早見表|測るものと使い道

まずは全体の対応関係を確認してください。表が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。

試験・調査主な測定結果主な使い道
標準貫入試験N値土の硬軟・締まり具合などの推定
スクリューウエイト貫入試験荷重・回転数から求める貫入抵抗比較的軟らかい地盤の硬軟や土層構成の把握
ポータブルコーン貫入試験コーン貫入抵抗・コーン指数建設機械の走行性などの判断
現場密度試験土の密度含水比などと併せた盛土の締固め管理
ベーン試験ベーンせん断強さ軟らかい粘性土地盤の強度評価
平板載荷試験載荷圧力と沈下量の関係試験の目的に応じた支持力・変形特性・地盤反力係数の評価
現場CBR試験現場CBR現場の路床などの支持力特性の評価
現場透水試験透水係数など掘削時の湧水や排水方法の検討
弾性波探査弾性波の伝わる速さなど地層構成や地盤の性状の推定
電気探査比抵抗地質や地下水に関係する状況の推定

試験ごとの目的と方法は、中部地方整備局「地質・土質調査業務共通仕様書」でも確認できます。

貫入抵抗から地盤を調べる試験

サウンディングは、地盤に器具を貫入させるなどして、その抵抗から地盤の性質を調べる方法です。ここでは、試験対策で整理しておきたい4種類を紹介します。

標準貫入試験|N値を求める

ボーリング孔を利用して行う標準貫入試験の模式図
標準貫入試験の模式図

標準貫入試験では、所定のハンマーを落下させ、サンプラーを地盤に打ち込みます。基本となるのは、本打ちで30cm貫入させるために必要な打撃回数であるN値です。

N値は、砂質土の締まり具合や粘性土の硬軟などを推定するための指標になります。また、サンプラーで採取した土から、土質を確認できます。

ただし、N値は地盤の性質を間接的に表す値です。「N値が分かれば、支持力や強度がすべて正確に決まる」と考えないようにしましょう。

覚える組合せ:標準貫入試験 → N値 → 硬軟・締まり具合の推定。

参考:国土交通省公開資料「地質調査概要」、中部地方整備局「地盤調査」

スクリューウエイト貫入試験|旧称はスウェーデン式サウンディング試験

スクリューポイントを取り付けたロッドに荷重をかけ、必要に応じて回転させながら地盤に貫入させる試験です。荷重や回転数などから貫入抵抗を求めます。

比較的軟らかい地盤の硬軟、締まり具合、土層の構成などを把握するために用いられます。硬い層や礫などで貫入が難しくなることがあり、停止した深さだけで硬い層の厚さまで判断することはできません。

2020年のJIS改正で、名称が「スウェーデン式サウンディング試験」から「スクリューウエイト貫入試験」に変わりました。古い過去問を読むときは、旧名称も覚えておきましょう。

覚える組合せ:SWS試験 → 貫入抵抗 → 地盤の硬軟や土層構成。

参考:日本規格協会「JIS A 1221:2020」、サムシング「SWS試験の方法と結果」

ポータブルコーン貫入試験|建設機械の走行性を調べる

先端コーンとロッドを備えたポータブルコーン貫入試験器
ポータブルコーン貫入試験器

先端にコーンを取り付けた器具を地盤に押し込み、その抵抗を調べます。

試験対策では、コーン指数とトラフィカビリティの関係を押さえましょう。トラフィカビリティとは、建設機械が地盤上を走行できる度合いのことです。

例えば、軟らかい地盤で機械が沈み込まないか、走行できる状態かを検討するときに、コーン指数が判断材料になります。

なお、コーン指数を求める試験には、現場で行うもののほか、室内で締め固めた土を対象にするものもあります。問題文がどちらを指しているか確認してください。

覚える組合せ:ポータブルコーン → コーン指数 → トラフィカビリティ。

オランダ式二重管コーン貫入試験|貫入抵抗から地盤の性質を推定する

コーンを静的に押し込み、貫入抵抗を調べる試験です。機械式コーン貫入試験とも呼ばれます。

過去問では、試験結果を砂層の支持力や粘性土の粘着力の推定に利用する、という関係が問われています。

ポータブルコーン貫入試験と同じ「コーン」という名前でも、装置や主な用途は異なります。名称をひとまとめにせず、使い道と対応させて覚えましょう。

密度・強さ・水の通りやすさを調べる試験

現場密度試験|盛土の締固め管理に使う

現場密度試験は、現場の土の密度を求める試験です。砂置換法、コアカッター法、RI計器を用いる方法などがあります。

砂置換法で使用する容器、漏斗、はかりなどの器具
砂置換法で使用する器具
  • 砂置換法:掘り取った土の質量を測り、試験孔を密度の分かっている砂で満たして体積を求めます。
  • コアカッター法:容積の分かっている円筒状の器具で土を採取し、質量から密度を求めます。
  • RI法:放射性同位元素を利用する計器で測定します。RI水分密度計では湿潤密度と含水量を測れます。

盛土の締固め状態を密度で管理する場合は、現場の乾燥密度と、室内の締固め試験で求めた最大乾燥密度を比較します。

締固め度の基本式

締固め度(%)=現場の乾燥密度 ÷ 最大乾燥密度 × 100

湿潤密度を、そのまま最大乾燥密度と比較しないことがポイントです。砂置換法では、乾燥密度を求めるために含水比も別途確認します。

覚える組合せ:現場密度 → 乾燥密度の確認 → 締固め管理。

参考:土木管理総合試験所「現場密度試験」

ベーン試験|軟らかい粘性土のせん断強さを調べる

十字形の羽根を地中に押し込み、回転させるときの抵抗からベーンせん断強さを求めます。軟らかい粘性土地盤の非排水せん断強さを評価するために用いられます。

ここで間違えやすいのは、対象となる地盤です。「硬い砂地盤を主な対象とする試験」と覚えないようにしましょう。

また、ボーリング孔を利用する形式もあります。「ボーリング孔では行わない」という説明は正しくありません。

覚える組合せ:ベーン → 回転抵抗 → 粘性土のせん断強さ。

参考:地盤工学会「原位置ベーンせん断試験方法」改正案・現行基準対照資料

平板載荷試験|荷重と沈下の関係を調べる

載荷板にジャッキで荷重を加え、沈下量を測定する平板載荷試験の模式図
平板載荷試験の模式図

地盤に載荷板を置き、荷重を加えたときの沈下量を測定します。

地盤の支持力や変形特性を調べる試験と、道路の地盤反力係数を求める試験では、目的や評価方法が異なります。学習では、まず「載荷圧力と沈下量の関係を調べる」と理解しましょう。

過去問で「平板載荷試験→地盤反力係数」という組合せが出たら、地下水の状態を調べる試験と取り違えていないか確認してください。

現場CBR試験|路床などの支持力特性を調べる

CBRは、所定の貫入量までピストンを押し込むのに必要な荷重を、基準となる荷重と比較して百分率で表す指標です。

現場CBR試験は現場の地盤に対して行います。一方、室内で供試体を作製して行うCBR試験もあります。

舗装の設計では、路床条件や所定の方法に基づいて設計CBRを定め、舗装厚の検討などに用います。現場で測ったCBRが、そのまま設計CBRになるとは限りません。

また、CBRと締固め度は別の指標です。「CBR=乾燥密度の比」と混同しないようにしてください。

参考:国土交通省「舗装の構造に関する技術基準」

現場透水試験|水の通りやすさを調べる

地盤中の水の流れや水位の変化などを測定し、透水係数を求めます。透水係数は、土や地盤の水の通りやすさを表す指標です。

試験結果は、掘削に伴う湧水や排水方法の検討などに利用します。

覚える組合せ:現場透水試験 → 透水係数 → 湧水・排水の検討。

含水比試験は「土に含まれる水の量」を調べる試験です。「水の量」と「水の通りやすさ」を区別しましょう。

弾性波探査・電気探査|地盤の内部を間接的に推定する

  • 弾性波探査:地盤を伝わる波の速さなどから、地層の構成や地盤の性状を推定します。
  • 電気探査:地盤の電気の通りにくさを表す比抵抗から、地質や地下水に関係する状況を推定します。

どちらも、得られた数値から地盤の内部を間接的に推定する方法です。ボーリングなどの情報と組み合わせて解釈します。

室内試験も「結果→使い道」で整理する

原位置試験だけを覚えていると、室内試験と混ざった問題で迷いやすくなります。次の4つも併せて押さえましょう。

試験調べること主な使い道
含水比試験土粒子の質量に対する水の質量の割合土の含水状態の把握、乾燥密度の算定など
粒度試験土粒子の大きさの分布土の分類、材料としての適性の判断
締固め試験含水比と乾燥密度の関係最大乾燥密度・最適含水比の把握、締固め管理
圧密試験荷重による圧縮の性質と、その進み方粘性土地盤の沈下量や沈下に要する時間の検討

含水比は、水の質量 ÷ 土粒子の質量 × 100で表します。分母は、水を含んだ土全体の質量ではありません。

また、圧密は、荷重を受けた土から間隙水が排出され、時間とともに体積が減っていく現象です。締固め試験と圧密試験は、名前が似ていても目的が異なります。

過去問4問で確認|どこを見れば判断できる?

以下は、1級土木施工管理技術検定の旧「学科試験」で出題された問題です。選択肢は学習用に要約しています。正確な原文は、各問のPDFで確認してください。

まず自分で答えを考え、その後に「解答と解説」を開いてください。

令和元年度・問題A No.1|土質試験結果の使い道

不適当な組合せはどれでしょうか。

  1. 含水比の結果を、湧水量や排水工法の検討に使う。
  2. 粒度の結果を、建設材料としての適性判断に使う。
  3. 設計CBRを、アスファルト舗装の厚さの検討に使う。
  4. 圧密の結果を、粘土層の最終沈下量の推定に使う。

令和元年度の問題原文PDF(掲載:どぼくじら.com)

解答と解説を開く

解答:1

含水比は土の含水状態を表します。水の通りやすさを表す透水係数とは別です。湧水や排水の検討には、透水性や地下水の情報が必要になります。

2・3・4は適当です。「含水比→水の量」「透水試験→水の通りやすさ」を区別しましょう。

平成29年度・問題A No.1|試験名・測定結果・用途

適当な組合せはどれでしょうか。

  1. 標準貫入試験/N値/盛土の締固め管理
  2. スウェーデン式サウンディング試験/静的貫入抵抗/土層の締まり具合
  3. 平板載荷試験/地盤反力係数/地下水の状態
  4. ポータブルコーン貫入試験/せん断強さ/トラフィカビリティ

平成29年度の問題原文PDF(掲載:どぼくじら.com)

解答と解説を開く

解答:2

  • 1:N値と盛土の締固め度を混同しています。
  • 2:適当です。現在の名称はスクリューウエイト貫入試験です。
  • 3:地下水の状態を調べる用途が不適当です。
  • 4:この組合せで押さえる測定結果は、コーン貫入抵抗・コーン指数です。

平成24年度・問題A No.1|原位置試験の特徴

適当な説明はどれでしょうか。

  1. 砂置換法では、現場密度と現場含水量を同時に測定できる。
  2. コーンの貫入抵抗を、トラフィカビリティの判断に使う。
  3. ベーン試験は、主に硬い砂地盤のせん断強さを求める。
  4. 現場透水試験は、土の強度評価にも用いる。

平成24年度の問題原文PDF(掲載:どぼくじら.com)

解答と解説を開く

解答:2

  • 1:砂置換法では含水比を別途確認します。密度と含水量を測る方法としてRI水分密度計があります。
  • 2:適当です。
  • 3:対象となる土が不適当です。ベーン試験は粘性土地盤に用います。なお、ボーリング孔を利用する形式もあります。
  • 4:透水性の評価と、土の強度評価を混同しています。

平成22年度・問題A No.1|サウンディングの用途

不適当な使い方はどれでしょうか。

  1. N値から、砂の相対密度や粘土の硬軟を推定する。
  2. SWS試験から、硬い砂質土層や硬い粘性土層の厚さを推定する。
  3. ポータブルコーンの結果から、トラフィカビリティを推定する。
  4. オランダ式二重管コーンの結果から、砂層の支持力や粘性土の粘着力を推定する。

平成22年度の問題原文PDF(掲載:どぼくじら.com)

解答と解説を開く

解答:2

SWS試験は比較的軟らかい地盤の調査に用いられ、硬い層では貫入が難しくなります。貫入が止まった位置を確認できても、その層の下端まで調べられなければ厚さは分かりません。

1・3・4は適当です。試験の用途に加えて、調べる対象となる地盤にも注目しましょう。

まとめ|試験名だけでなく「何に使うか」まで覚える

土質調査の問題では、似た用語の入れ替えに注意しましょう。最後に、次の組合せを確認してください。

  • N値:標準貫入試験で求め、地盤の硬軟や締まり具合を推定する。
  • コーン指数:トラフィカビリティなどの判断に使う。
  • 乾燥密度:最大乾燥密度と比較し、締固め管理に使う。
  • ベーンせん断強さ:粘性土地盤の強度評価に使う。
  • CBR:路床などの支持力特性を表す。
  • 透水係数:水の通りやすさを表す。

復習では、試験名を見て「測定結果」と「用途」を自分の言葉で説明してみてください。答えに迷った組合せだけ早見表へ戻ると、理解できていない点を確認できます。

続けて学習する場合は、次の記事もどうぞ。

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