土工:試験に出る①土質調査をテキストで解説!【過去問も解説】

土工
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はじめに

こんにちは、Kaiです!

今回は、土木施工管技士の試験にでる土工①土質調査について、テキストを用いて学習しましょう。

この記事は以下のような人におすすめ!

  • 土木施工管理技士の試験のための勉強がしたい。
  • テキストを購入する費用を抑えたい。
  • 独学で勉強をしたい。

学習法について

インプットとアウトプット

効率的な学習法には、インプットとアウトプットのバランスが重要です。インプットは知識を得る過程で、例えば講義を聞いたり、教科書を読んだりすることです。一方、アウトプットはその知識を使って何かを生み出す過程で、例えば問題を解いたり、誰かに教えたりすることです。

右の図は、ラーニングピラミットといい、学習の効率を示すもので、講義を聞くと5%の学習効率となり、読書は10%、視聴覚は20%、デモンストレーション30%、グループディスカッション50%、自らの体験75%、他人に教えるが90%となっています。つまり、アウトプットすることが、インプットになるといえるでしょう。

エビングハウスの忘却曲線

忘却曲線は、時間が経つにつれて記憶がどのように減少していくかを示すグラフで、エビングハウスによって提唱されました。この曲線を利用した学習法では、新しい情報を学んだ直後、そして時間が経過した後の特定の時点で復習を行うことで、記憶の定着を促します。例えば、学習後20分、1時間、1日、1週間、1ヶ月というように復習を行うことで、忘却を防ぎます。

定着率は、20分後に58%60分後に44%1日後に26%1週間後に24%1か月後に21%となっています。

学習方法の例

以上のことから、学習にはサイクルを作ることが重要です。

学んだことをアウトプットすること、忘却曲線を意識し、記憶を定着させることが、合格への一歩となります。

学習を始める前に

土木構造物をつくるとき、不要な土砂を掘削したり、必要な土砂を補ったりして、計画に従って地形を整形する。これを土工という。

土工には、人力土工機械土工があるが、工事の大型化、新型土工機械の開発に伴い、機械土工が一般化している。

土工の種類と用語

  • 切土、掘削  →   原地盤を切り崩すこと。
  • 盛土     →   原地盤に土砂等を盛ること。
  • 埋戻し    →   掘削した箇所を土砂で埋めること。
  • 残土処理   →   余った掘削土をほかの場所に運んで処分すること。
  • のり面    →   切土や盛土によってできる傾斜面のこと。
  • しゅんせつ  →   河川や海などの水中の掘削のこと。
  • 土取場    →   盛土に使う土砂を採取する場所のこと。
  • 土捨場    →   残土処理などで土を捨てる場所のこと。

土工計画

土や地盤は、重要な土木構造物であるとともに、他の土木構造物をつくるうえでの基礎となる。土工を事前に計画することを土工計画といい、現地の土や地盤の土質調査・土質試験を行い、現地の土の性質をしり、計画を立てることが重要となる。

学習の要点

  • 土質調査の主な原位置試験は何か。
  • 原位置と試験の結果から何を求められるかを理解する。
  • 原位置試験と試験結果の利用方法を理解する。

土質調査:土質調査の手順

土質調査

土質調査とは、構造物の基礎や土構造物の本体等の設計施工に関連し、土の性質を知るために行う調査をいう。土質調査には、現場で行う原位置試験と、採取した土を持ち帰って室内で試験を行う土質試験がある。

土質調査には、ボーリングサウンディングがあり、目的に合わせて使用する。

土質調査の手順

土質調査は、予備調査・現地踏査・本調査の3段階がある。

予備調査…本調査に先立って作業に必要な土質情報を得る。

現地踏査…資料の収集、現地の状況を確認して本調査の計画を立てる。

本調査…予備調査によって土質に関する概略を得た段階で、現地において設計施工の際に具体的な資料を得る。

土工の調査に用いる主な原位置試験

原位置試験とは、原位置(現場)で直接観測や試験を行う調査方法である。

★主な原位置試験

探査試験方法

弾性波探査

地中を伝わる波動の速さを測定し、地盤の弾性波速度Vを求め、地盤の地質状態(地層の種類、性質等)を推定する方法。

電気探査

地盤の電気抵抗から地盤の比抵抗値を測定し、地下水の状態を推定する方法。

サウンディング

原位置試験の一種で、ロッドの先端に各種の抵抗体を取り付け、これを地中に貫入して土の抵抗を測定し、土の強度・密度を知る方法。

標準貫入試験試験

サウンディングの一種で、規定重量のハンマを自由落下させ、標準貫入試験用サンプラーを30㎝貫入させるのに要する打撃回数(N値)を測定する試験である。サンプラーの土から、土の硬軟・締まり具合の判定を行う。

 

静的円すい貫入試験(静的コーン貫入試験)

静的円すい貫入試験は、サウンディングの1つで、円すい形のコーンを地中に貫入させ、その深度と貫入抵抗の関係を測定し、土の硬軟、盛土の締まり具合、地盤改良効果の判定等に利用する。

代表的なものに、ポータブルコーン貫入試験とオランダ式二重管コーン貫入試験がある。

ポータブルコーン貫入試験

最大断面積6.45㎠、先端角度30°のコーンを1㎝/secの速さで人力により土に静的貫入させて、その時の貫入抵抗からコーン指数qcを求める。

この試験は土工の施工機械のトラフィカビリティの判定や、軟弱地盤の浅い層の土質調査、盛土の締まり具合、地盤改良効果の判定等に用いる。

コーン指数が大きいほど抵抗が大きく、強い地盤である。

オランダ式二重管コーン試験

マントルコーンと呼ぶ先端コーンを1㎝/secの速さで静的貫入させ、マントルコーンが約5㎝貫入したときのコーン貫入抵抗測定値Qrdを測定し、コーン支持力qcを求める。

スウェーデン式サウンディング試験

規定荷重の重錘の静的貫入に必要なおもりの荷重と貫入量の測定を行い、そのまま荷重を載荷させたまま人力による回転を加えたときの貫入量に対応する半回転数を測定する。

単位体積質量試験

現場における地山・盛土の単位体積重量を求めるための試験で、地山・盛土の現場密度の測定を行うものである。

砂置換法

測定地盤の土を掘りだして孔をあけ、孔の中に、乾燥砂(硅砂等)を一定の方法によって満たし、その土の重量と試験孔の体積を測定して、原位置の土の湿潤密度を求める。

 

 

コアカッター法

モールドに刃先を付けたものを土の中に圧入し、塊状の土試料を抜き取り、取り出した試料の土の密度を測定する。

RIによる密度の測定方法

ラジオアイソトープを用いたRI計器で、土の密度及び含水比を求める。

ガンマ線の散乱吸収現象と土の密度が一定の関係にあることを利用する。

ベーン試験

原位置で地盤のせん断強さを測定する試験の1種である。ベーンと呼ばれる十字の翼をロッドの先端に付け地盤に押し込み、ベーンを回転させることで土の粘着力cを求める。粘着力は、軟らかい粘性土地盤等の軟弱地盤の調査に用いられ、細粒土の斜面や基礎地盤の安定計算にも用いられる。

平板載荷試験

地表面に置かれた鋼製円板に段階的に載荷重を加え、各荷重に対する沈下量を測定し、地盤反力係数を求める。この試験は、道路の舗装の設計に必要な路床・路盤の支持力係数の測定に用いられるが、盛土の締固めの管理のための試験にも用いられる。

現場CBR試験

現場CBR試験は、原位置の土のCBRを求めるものである。

CBRとは、直径50±0.12㎜の貫入ピストンを既定の深さに貫入させるときの標準荷重に対する荷重強さの比をいう。【現場CBR=荷重強さ/標準荷重 ×100%】

現場CBR試験の結果は、舗装厚さと構成を決定するための路床の設計CBRの決定や路床・盛土等の締固め度の管理等に利用する。

現場透水試験

地盤に掘った井戸や孔を用いて、透水係数を測定する試験である。現場透水試験は、掘削工事・切土工事に伴う湧水量の計算、排水工法の検討等に用いられる。

まとめ(過去問題)

原位置試験 R1 ー 1級土木施工管理技士 1次試験 ー

問題

土質結果の活用に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. 土の含水比試験結果は、水と土粒子の質量の比で示され、切土・掘削にともなう湧水量や排水工法の検討に用いられる。
  2. 土の粒度試験結果は、粒径加積曲線で示され、その特性から建設材料としての判定に用いられる。
  3. CBR試験結果は、締め固められた土の強さを表すCBRで示され、設計CBRはアスファルト舗装の舗装厚さの決定に用いられる。
  4. 土の密度試験結果は、圧縮性と圧密速度が示され、圧縮ひずみと粘土層厚の積から最終沈下量の推定に用いられる。

解説

  1. 土の含水比試験は、土の含水量を求める試験である。土の含水比は、土中に含まれる水の質量の、土粒子に対する割合をパーセント表示した値である。この含水比は、土構造物の設計・施工の施工条件の判断盛土の締固め管理に用いられる。切土・掘削にともなう湧水量や排水工法の検討に用いられるのは、透水試験により得られる透水係数である。よって、1は適当ではない。
  2. 土の粒度試験は、土の粒度を求めることを目的とした試験で、試験結果は粒径加積曲線で示され、曲線の傾きから締固めの特性を判断する。曲線の特性から建設材料としての適性の判定に用いられる。
  3. CBR試験は室内試験と現場試験があり、締め固めた土の強度を表すCBR値で示される。このうち、設計CBRはアスファルト舗装の厚さの設計に用いられ、修正CBRは盛土材料や路盤材料の強さの判断に用いられる。
  4. 土の圧密試験は、粘性土地盤の載荷重による断続的な沈下についての解析を行うために必要な圧密特性を求めるための試験である。試験の結果は、飽和した軟弱層の圧密沈下量圧密沈下の速さの推定に用いる。

よって、正答は1

原位置試験 H29 ー 1級土木施工管理技士 1次試験 ー

問題

土の原位置試験で、「試験の名称」、「試験結果から求められるもの」及び「試験結果の利用」の組み合わせとして、次のうち適当なものはどれか。

「試験の名称」………「試験結果から求められるもの」………「試験結果の利用」

  1. 標準貫入試験………N値………盛土の締固め管理の判定
  2. スウェーデン式サウンディング試験………静的貫入抵抗………土層の締まり具合の判定
  3. 平板載荷試験………地盤反力係数………地下水の状態の判定
  4. ポータブルコーン貫入試験………せん断強さ………トラフィカビリティーの判定

解説

  1. 標準貫入試験は、規定重量のハンマを自由落下させ、サンプラーを30㎝貫入させるのに必要な打撃回数N値を測定する試験である。N値によって、原位置における土の硬軟・締まり具合を判定する。
  2. スウェーデン式サウンディング試験は、規定重量の重錘の静的貫入に必要なおもりの荷重と貫入量の測定を行い、そのまま荷重を載荷させた状態で、人力による回転を与えたときの貫入量に対する半回転数を測定する。原位置における土の静的貫入抵抗を測定し、その土の硬軟締まり具合土層の構成を判定する。よって、2は適当である。
  3. 平板載荷試験は、地表面に置かれた鋼製円盤に段階的に載荷重を加えていき、各荷重に対応する沈下量を測定し、地盤反力係数を求める。この試験は、道路舗装の設計に必要な路床・路盤の支持力係数の測定に用いられるが、盛土の締固めの施工管理にも用いられる。地下水の状態の推定は、電気探査から求める地盤の比抵抗値による。
  4. ポータブルコーン貫入試験は、最大断面積6.45㎠、先端角度30°のコーンを1㎝/secの速さで人力により土に静的貫入させて、その時の貫入抵抗からコーン指数qcを求める。この試験は土工の施工機械のトラフィカビリティの判定や、軟弱地盤の浅い層の土質調査、盛土の締まり具合、地盤改良効果の判定等に用いる。

よって、正答は2

原位置試験 H24 ー 1級土木施工管理技士 1次試験 ー

問題

土の原位置試験に関する記述のうち、適当なものはどれか。

  1. 現場密度を測定する方法には、ブロックサンプリング、砂置換法、RI計器による方法があり、現場含水量と同時に測定できる方法は砂置換法である。
  2. トラフィカビリティは、コーンペネトロメータの貫入抵抗から判定されるので、原位置又は室内における試験で計測する。
  3. ベーン試験は、主として硬い砂地盤のせん断強さを求めるもので、ボーリング孔を用いて行う。
  4. 現場透水試験は、軟弱地盤の土の強度を評価したり、掘削に伴う湧水量や排水工法を検討するために行われるものである。

解説

  1. 密度と現場含水量を同時に測定できるのは、RI計器(ラジオアイソトープ)による方法である。
  2. 一般にトラフィカビリティは、コーンペネトロメータで測定したコーン指数(qc)で示される。原位置又は室内における試験で計測するが、建設発生土を利用する場合等は、所定の方法でモールドに締め固めた試料に対し、室内における試験で計測する。したがって、2は適当である。
  3. ベーン試験は軟弱な粘性土シルト有機質土のせん断強さを現地において測定する試験である。ベーンと呼ばれる十字の翼を地盤中に押し込み回転させることにより、土の粘着力cを求めるものであり、ボーリング孔を用いて行うものではない。
  4. 現場透水試験は、地盤の透水係数を測定するための試験である。試験結果は掘削工事、切土工事に伴う湧水量の算定、排水溝法の検討等に利用されるが、軟弱地盤の土の強度を評価することはできない。

よって、正答は2

土質調査に用いる原位置試験 H22 ー 1級土木施工管理技士 1次試験 ー

問題

各種サウンディング試験の測定値の活用方法に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。

  1. 標準貫入試験の結果は、砂の相対密度、粘土のコンシステンシーの推定に用いられる。
  2. スウェーデン式サウンディング試験の結果は、堅い砂質土層や堅い粘性土層の層厚の推定に用いられる。
  3. ポータブルコーン貫入試験の結果は、トラフィカビリティの推定に用いられる。
  4. オランダ式二重管コーン貫入試験の結果は、砂層の支持力や粘性土の粘着力の推定に用いられる。

解説

  1. 標準貫入試験の結果は、砂の相対密度粘土のコンシステンシー、砂のせん断抵抗角、粘土の一軸圧縮強さまたは粘着力、地盤の許容支持力などの推定に用いられる。ただし、極めて軟弱な粘土や腐食土ではN値が0となり、明確な判断ができない。
  2. スウェーデン式サウンディング試験は、規定のおもりを載荷したときのスクリューポイントの静的貫入に必要なおもりの荷重と貫入量の測定と、人力による回転を与えたときの貫入量に対応する半回転数を測定する。柔らかい粘土や緩い砂質土層の層厚の確認に有効である。したがって、2が適当ではない。
  3. ポータブルコーン貫入試験は、コーンを一定速度で土中に貫入させる際の貫入抵抗からコーン指数を求める。試験結果は、トラフィカビリティの推定に用いられる。
  4. オランダ式二重管コーン貫入試験の結果は、砂礫層の支持力粘性土の粘着力の推定に用いられている。

したがって、正答は2

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