土量変化率L・Cとは?土質別一覧・土量換算係数・計算方法を解説

土量変化率L・Cと土量換算係数の計算方法を解説 土工

「掘削した土は、どのくらい増える?」「LとCのどちらを使えばいい?」「締固め後の土量から運搬土量を求めるには?」

土は同じ重量でも、地山にあるとき、掘ってほぐしたとき、締め固めたときで体積が変わります。その変化を計算するために使うのが、土量変化率L・Cと土量換算係数です。

この記事では、土量変化率の意味、土質別の代表値、換算表、ふけ率、計算例を整理します。1級土木施工管理技士の試験対策だけでなく、運搬計画や盛土計画にもつながる内容です。

最初に結論Lは地山から「ほぐし土量」へ換算するとき、Cは地山から「締固め後の土量」へ換算するときに使います。どちらも基準は地山土量です。

土量変化率とは?同じ土でも体積が変わる

自然な状態の土を掘削すると、土粒子の間に空気が入り、見かけの体積が増えます。反対に、盛土として締め固めると、土粒子の隙間が小さくなり、体積が変わります。

地山土量掘削前の自然な状態。土量換算の基準を1とします。
ほぐし土量掘削してほぐれた状態。運搬計画やダンプ台数の検討に使います。
締固め後土量盛土として締め固めた状態。完成する盛土量の検討に使います。
L = ほぐし土量 ÷ 地山土量
C = 締固め後の土量 ÷ 地山土量

例えば、地山100m³を掘削して120m³に増えた場合、Lは1.20です。地山100m³を締め固めて80m³になった場合、Cは0.80です。

LとCは何の計画に使うのか

変化率主な用途現場で確認すること
L掘削後の運搬土量、ダンプ台数、仮置場の容量地山土量から、ほぐれた状態の体積を見込む
C盛土の土量配分、必要な土取量、完成土量必要な盛土に対し、どれだけの地山土量が必要か確認する

Lは運搬計画、Cは土量配分計画で特に重要です。現場条件によってCが計画へ大きく影響する場合は、代表値だけでなく、試験施工や実測値の採用を検討します。

LとCの値に見られる傾向

  • Lは掘削によって土がほぐれる割合なので、通常は1より大きい
  • Cは土質によって1より小さい場合と、大きい場合がある
  • 一般に、砂質土より粘性土や岩のほうが体積変化が大きくなる傾向がある
  • 岩は破砕状態や岩塊の大きさによる差が大きく、現場条件の影響を受けやすい

土質別の土量変化率L・C一覧

次の表は、公的な積算資料に示されている代表値を、初めて学ぶ人向けに主要区分で整理したものです。

主な土質L(ほぐし)C(締固め)
硬岩1.65〜2.001.30〜1.50
軟岩1.30〜1.701.00〜1.30
岩塊・玉石1.10〜1.200.95〜1.05
れき質土1.10〜1.300.85〜1.00
砂1.10〜1.200.85〜0.95
砂質土1.20〜1.300.85〜0.95
粘性土1.20〜1.450.85〜0.95
実際の工事では設計図書を優先
上表は代表値です。資料によって土質の細分類や数値が異なる場合があります。現場の試験値がある場合や、発注者の積算基準・特記仕様書で係数が指定されている場合は、その値を使用してください。

土量変化率を現場で測る方法

土量変化率は、実際の施工前後の土量から求める方法が基本です。ただし、測定する土量が少ないほど、測量誤差や積載状態のばらつきの影響を受けやすくなります。

地山土量の測定

掘削前後の地形を測量し、その差から地山土量を求めます。広がりや高さを正確に把握し、同じ基準で施工前後を比較することが重要です。

ほぐし土量の測定

掘削した土をダンプトラックの荷台や平らな場所へ積み、ほぐれた状態の体積を測ります。積み方や締まり具合によって体積が変わるため、測定条件をそろえます。

締固め後土量の測定

盛土の施工前後を測量して、締固め後の土量を求めます。施工範囲、基準点、測定時期を統一し、地山土量と同じ基準で比較します。

変化率へ含めないもの掘削・運搬中のこぼれや損失、基礎地盤の沈下による見かけの盛土量増加などは、原則として土量変化率そのものへ含めず、別の要因として整理します。
実測値を使うときの注意
少量の土だけでL・Cを決めると、測量誤差や積載状態に左右されます。地山土量は200m³以上、可能なら500m³以上を一つの目安として十分な測定量を確保し、発注者の基準や現場条件に従って判断します。また、土質が均一でない大規模な地山では、土質別の変化率を厳密に分けにくい点にも注意が必要です。

土量換算係数|どの状態から何を求めるか

換算で迷ったら、「現在分かっている土量」と「求めたい土量」を先に確認します。次の表で、交差する係数を元の土量に掛けます。

覚え方いったん地山へ戻してから、求めたい状態へ進むと考えると整理できます。ほぐし土量から締固め後を求める場合は「÷L×C」、締固め後からほぐし土量を求める場合は「÷C×L」です。

計算例|運搬土量と盛土量を求める

例1|地山土量から運搬土量を求める

地山土量100m³、L=1.20の場合:

ほぐし土量 = 100 × 1.20 = 120m³

ダンプで運ぶ土は掘削後の状態なので、計画上の運搬土量は120m³です。ただし、実際の積載量は土質、含水状態、積み方、重量制限なども確認します。

例2|地山土量から締固め後土量を求める

地山土量100m³、C=0.80の場合:

締固め後土量 = 100 × 0.80 = 80m³

C=0.80は、締め固めた後の体積が地山土量の0.8倍になることを表します。

例3|完成盛土量から運搬土量を求める

完成する盛土100m³、L=1.20、C=0.80の場合:

必要な地山土量 = 100 ÷ 0.80 = 125m³
運搬するほぐし土量 = 125 × 1.20 = 150m³

完成盛土量から計算するときは、最初にCで割って地山土量へ戻し、その後Lを掛けて運搬土量を求めます。

Kaiの現場メモ計算結果だけでダンプ台数を決めないことが大切です。搬出先が体積管理か重量管理か、過積載にならないか、土の含水状態が変わっていないかも確認します。雨の後は同じ体積でも重量が増える可能性があります。

ふけ率とは?土量変化率Lとの関係

現場で使われる「ふける」は、掘削によって土がほぐれ、体積が増えることを指します。「ふけ率」はこの増え方を表す言葉として使われますが、使い方が統一されていない場合があります。

例えば、地山100m³が掘削後120m³になった場合、Lは1.20です。増加した割合だけを表すなら20%増です。会話の中で「ふけ率1.2」と「20%ふける」が混在することがあるため、計算ではLなのか増加率なのかを確認しましょう。

数字だけで判断しない
「ふけ率1.2」と言われたら、地山を1とした係数L=1.20を意味するのか、別の定義なのかを確認します。設計書や積算基準では、L・Cの定義に沿って扱うのが安全です。

土積図とは?土量変化率をどう使う

土積図(マスカーブ)は、路線に沿った切土と盛土の累加土量を表し、土の運搬方向や運搬距離、残土・不足土の検討に使う図です。

切土と盛土では土の状態が異なるため、そのまま比較すると土量が合いません。地山、ほぐし、締固め後のどの状態で数量を扱うかをそろえ、必要に応じてL・Cで換算します。

  • 切土と盛土の数量を同じ基準状態へそろえる
  • 運搬量を検討するときは、ほぐし土量を確認する
  • 完成盛土量を検討するときは、締固め後の土量を確認する
  • 流用できない土や施工損失は、係数だけで処理しない

土の分類と粒径|変化率を使う前の基本

土量変化率は、どの土質を扱うかによって代表値が異なります。そのため、土の分類も基本として押さえておきましょう。

区分粒径特徴
粘土0.005mm未満非常に細かく、水を含むと粘りやすい
シルト0.005mm以上0.075mm未満粘土より粗く、砂より細かい
砂0.075mm以上2mm未満粒子を目で確認しやすい
礫2mm以上75mm未満砂より粒子が大きい

粒径加積曲線

粒径加積曲線は、横軸に粒径、縦軸にその粒径より小さい土粒子の通過質量百分率を示したグラフです。粒度試験の結果を整理し、土の分類や粒度分布、材料としての適否を検討するために使います。

コンシステンシー

細粒土は含水比によって、液状、塑性状、半固体状、固体状へ変化します。液性限界、塑性限界、収縮限界をまとめてコンシステンシー限界と呼びます。

塑性指数 Ip = 液性限界 wL − 塑性限界 wP

間違えやすいポイント

間違い正しい考え方
LとCの基準が別だと思うどちらも地山土量を基準にする
運搬土量にCを使う掘削後の運搬土量は主にLで考える
完成盛土量にLを使う締固め後の完成土量はCで考える
ほぐしから締固めへ直接Cを掛ける地山へ戻すために÷L、その後×Cとする
代表値をすべての現場で使う設計図書、試験結果、発注者の基準を優先する

試験対策|「状態→記号→計算」の順で考える

土量変化率は、式だけを暗記するとLとCを反対に使いやすい分野です。変化率の意味、土の状態、換算する方向の順で整理すると、式を間違えにくくなります。

  1. 状態:地山、ほぐし、締固め後のどれかを確認する
  2. 記号:ほぐしはL、締固め後はCと結び付ける
  3. 基準:LとCはどちらも地山土量を基準にする
  4. 方向:元の状態から求める状態へ矢印を書く
  5. 計算:最後に掛け算・割り算を決める
丸暗記より換算の向きを優先
1/L、C/L、L/Cを別々に覚えるのではなく、「いったん地山へ戻し、求めたい状態へ進む」と考えると式を組み立てられます。

1級土木施工管理技士の過去問で確認

過去問の掲載について
以下では、1級土木施工管理技術検定で実際に出題された問題文のうち、学習に必要な部分を引用しています。引用部分とKai Blogの解説を分け、各問に出典を明記しています。問題全体と正答肢は、全国建設研修センターが公開している試験問題で確認してください。

過去問1|令和7年度 第一次検定・問題A No.9

出題テーマ:土量の変化率に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題

「土量の変化率Cは、土の配分計画を立てるときに必要であり、ほぐした土量と締め固めた土量の体積比を測定して求める。」

引用:一般財団法人 全国建設研修センター「令和7年度 1級土木施工管理技術検定 第一次検定 問題A」No.9 選択肢2

正答とKai Blogの解説を開く

誤りです。Cは「締固め後土量÷地山土量」です。LもCも分母は地山土量になります。この問題では、Cの分母をほぐし土量としている記述を見抜けるかがポイントです。

過去問2|令和2年度 学科試験・問題A No.2

出題テーマ:変化率へ含めるもの・含めないものを判断する問題

「土の掘削・運搬中の損失及び基礎地盤の沈下による盛土量の増加は、原則として変化率に含まれている。」

引用:一般財団法人 全国建設研修センター「令和2年度 1級土木施工管理技術検定 学科試験 問題A」No.2 選択肢2

正答とKai Blogの解説を開く

原則として含まれません。令和2年度の正答は選択肢2です。土そのものの状態変化と、施工中の損失・基礎地盤の沈下は別の要因として扱います。

過去問3|令和元年度 学科試験・問題A No.2

出題テーマ:LとCを使用する計画の区別

「地山の密度と土量の変化率Lがわかっていれば、土の配分計画を立てることができる。」

引用:一般財団法人 全国建設研修センター「令和元年度 1級土木施工管理技術検定 学科試験 問題A」No.2 選択肢4

正答とKai Blogの解説を開く

誤りです。令和元年度の正答は選択肢4です。Lは主に運搬計画、Cは主に土量配分計画に使います。「L=Loosen=ほぐし=運搬」と結び付けると判断しやすくなります。

過去問4|平成30年度 学科試験・問題A No.2

出題テーマ:土量の変化率に関する記述のうち、適当でないものを選ぶ問題

「土量の変化率Cは、土工の配分計画を立てる上で重要であり、地山の土量をほぐした土量の体積比を測定して求める。」

引用:一般財団法人 全国建設研修センター「平成30年度 1級土木施工管理技術検定 学科試験 問題A」No.2 選択肢1

正答とKai Blogの解説を開く

誤りです。平成30年度の正答は選択肢1です。地山土量とほぐし土量の関係を表すのはLです。Cは地山土量と締固め後土量の関係を表します。

過去問5|平成27年度 実地試験・土工

出題テーマ:L・Cの定義、使用する計画、地山土量から締固め後土量を求める計算問題

「300m³の地山土量を掘削し、運搬して締め固めると( )m³となる。ただし、L=1.2、C=0.8とし、運搬ロスはないものとする。」

引用:一般財団法人 全国建設研修センター「平成27年度 1級土木施工管理技術検定 実地試験問題」土工

正答とKai Blogの解説を開く

240m³です。締固め後土量=地山土量×Cなので、300×0.8=240m³となります。L=1.2は運搬時のほぐし土量を求める係数であり、完成する締固め後土量の計算には使いません。

過去問から分かる頻出ポイント年度が違っても、「LとCの分母は地山土量」「Lは運搬計画」「Cは土量配分」「施工中の損失や基礎地盤の沈下は原則として変化率に含めない」という論点が繰り返し問われています。まずこの4点を確実に覚えることが得点につながります。

まとめ|最初に土の状態を確認する

  • Lは、地山土量からほぐし土量への変化を表す
  • Cは、地山土量から締固め後土量への変化を表す
  • LとCの基準は、どちらも地山土量
  • 換算では、元の状態と求めたい状態を先に確認する
  • ふけ率は意味が曖昧な場合があるため、係数か増加率か確認する
  • 実際の工事では、設計図書・試験結果・発注者基準を優先する
地盤の状態を調べる試験については、「土質調査の試験と使い道」で詳しく解説しています。
土質試験の種類や結果の使い方を続けて確認したい場合は、「土質試験の種類と結果の使い方」の記事も参考にしてください。

参考資料

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