コンクリートの材料と特徴|骨材・セメント・混和材料を解説【コンクリート工①】

コンクリートを構成する材料と役割 コンクリート工

「細骨材と粗骨材は何が違う?」「早強セメントや高炉セメントは、どんな工事に使う?」

コンクリート材料は種類が多く、名称だけを暗記すると、それぞれの特徴や用途を混同しやすい項目です。

学習するときは、「材料の種類」「コンクリートに与える性質」「主な用途」を一組にして整理しましょう。

この記事では、コンクリートを構成する骨材、セメント、混和材料の特徴と、アルカリシリカ反応の抑制対策を紹介します。最後に、過去問3問の要点と解説で理解を確認できます。

この記事で整理すること

  • コンクリートを構成する材料
  • 細骨材・粗骨材と骨材の含水状態
  • ポルトランドセメントと混合セメント
  • 混和剤と混和材の違い
  • アルカリシリカ反応の抑制対策

コンクリートとは|複数の材料を組み合わせた建設材料

コンクリートは、セメント、水、細骨材、粗骨材を練り混ぜ、必要に応じて混和材料を加えて作ります。

セメントと水が反応してセメントペーストとなり、砂や砂利などの骨材を結び付けながら硬化します。

覚え方の基本

セメント+水+細骨材+粗骨材+必要に応じて混和材料

コンクリート材料の早見表|種類と主な役割

最初に、各材料の役割を確認します。表が画面に収まらない場合は、横にスクロールできます。

材料主な例主な役割
セメント普通・早強・低熱・高炉セメントなど水と反応して硬化し、骨材を結合する
練混ぜ水セメントの水和反応と施工性に関係する
細骨材砂・砕砂など粗骨材の隙間を埋める
粗骨材砂利・砕石などコンクリートの骨格を形成する
混和剤AE剤・減水剤など少量で流動性や耐久性などを改善する
混和材フライアッシュ・高炉スラグ微粉末など比較的多量に使用し、配合や性能に影響を与える

骨材|コンクリートの骨格をつくる材料

骨材は、コンクリート容積の大部分を占める材料です。粒径によって細骨材と粗骨材に分けます。

細骨材と粗骨材|5mmふるいを基準に分ける

  • 細骨材:10mmふるいをすべて通り、5mmふるいを質量で85%以上通過する骨材
  • 粗骨材:5mmふるいに質量で85%以上とどまる骨材

細骨材には砂や砕砂、粗骨材には砂利や砕石などが使われます。

覚える組合せ

5mmふるいを85%以上通過 → 細骨材
5mmふるいに85%以上とどまる → 粗骨材

粗骨材の最大寸法|施工条件に合わせて選ぶ

粗骨材の最大寸法とは、質量で90%以上が通過するふるいのうち、最小となるふるいの呼び寸法です。

最大寸法を大きくすると、一般に必要なセメントペースト量を減らしやすくなります。一方、大きすぎると鉄筋間を通過しにくくなり、充填不足や材料分離の原因になります。

鉄筋コンクリートでは、部材寸法、鉄筋のあき、かぶりなどを考慮して最大寸法を決定します。

骨材の含水状態|表面水の有無を確認する

骨材の含水状態は、絶対乾燥状態、気乾状態、表面乾燥飽水状態、湿潤状態の4つに分けます。

骨材の含水状態

骨材内部と表面の水分による4つの含水状態

状態骨材内部骨材表面
絶対乾燥状態水を含まない乾燥している
気乾状態(空気中乾燥状態)一部に水を含む乾燥している
表面乾燥飽水状態水で満たされている乾燥している
湿潤状態水で満たされている表面水がある

配合設計では、一般に表面乾燥飽水状態を基準にします。湿潤状態の骨材に付着している表面水は、練混ぜ水の一部となるため、水量の補正が必要です。

間違えやすい点

骨材内部の水は吸水量、表面乾燥飽水状態を超えて表面に付着している水は表面水として区別します。

骨材に求められる性質|硬く耐久的であること

骨材には、硬く耐久的で、不純物が少なく、粒度と粒形が適切であることが求められます。

  • 細長い粒や偏平な粒が少ない
  • 粘土塊や有機不純物などを有害量含まない
  • 必要な耐久性とすり減り抵抗性を持つ
  • 大小の粒が適度に混ざっている

粒度が適切な骨材は粒子間の隙間が小さくなり、必要な単位水量や単位セメント量を抑えやすくなります。

セメント|水和反応によって硬化する材料

セメントに水を加えると化学反応が起こり、時間の経過とともに硬化します。この反応を水和といい、反応時に発生する熱を水和熱といいます。

ポルトランドセメント|特徴に応じて使い分ける

種類主な特徴主な用途
普通一般的な強度発現と施工性を持つ一般的なコンクリート工事
早強初期強度が大きく、水和熱も比較的大きい緊急工事、寒中工事、工場製品など
中庸熱水和熱が比較的小さく、長期強度が増進するダムなどのマスコンクリート
低熱水和熱が小さく、長期強度に優れる大規模なマスコンクリートなど
耐硫酸塩硫酸塩に対する抵抗性を高めている硫酸塩の影響を受ける環境

覚える組合せ

  • 早強 → 初期強度が必要な工事
  • 中庸熱・低熱 → 水和熱を抑えたいマスコンクリート

混合セメント|混合材の働きを利用する

混合セメントには、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントがあります。混合材の分量によってA種、B種、C種に区分されます。

種類混合する材料主な特徴
高炉セメント高炉スラグ初期強度は小さいが長期強度、化学抵抗性、水密性などに優れる
フライアッシュセメントフライアッシュ単位水量や水和熱を抑えやすく、長期強度が増進する
シリカセメントシリカ質混合材オートクレーブ養生を行う製品などに利用される

高炉セメントやフライアッシュセメントは、普通ポルトランドセメントより初期の強度発現が遅くなる場合があります。初期の湿潤養生を十分に行うことが重要です。

混和材料|コンクリートへ特別な性質を与える

混和材料は、セメント、水、骨材以外に、コンクリートの性質を改善する目的で加える材料です。混和剤と混和材に分けられます。

混和剤と混和材|使用量と配合上の扱いが異なる

区分配合上の扱い主な例
混和剤使用量が少なく、一般にその容積を配合計算で考慮しないAE剤、減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤
混和材使用量が比較的多く、その容積を配合計算で考慮するフライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シリカフューム、膨張材

間違えやすい点

少量使用するものが混和剤、比較的多量に使用して配合計算で考慮するものが混和材です。

主な混和剤|流動性や耐久性を改善する

  • AE剤:微細な独立気泡を連行し、ワーカビリティーや耐凍害性を改善する
  • 減水剤:所要のコンシステンシーを得るための単位水量を減らす
  • AE減水剤:空気連行作用と減水作用を持つ
  • 高性能AE減水剤:高い減水性能と空気連行性能を持つ

主な混和材|反応や充填効果を利用する

  • フライアッシュ:ポゾラン反応により長期強度や水密性などを改善する
  • 高炉スラグ微粉末:潜在水硬性を持ち、化学抵抗性などを改善する
  • シリカフューム:組織を緻密にし、高強度化や水密性の向上に利用する
  • 膨張材:コンクリートを適度に膨張させ、収縮ひび割れの低減に利用する

覚える組合せ

  • フライアッシュ → ポゾラン反応
  • 高炉スラグ微粉末 → 潜在水硬性
  • 膨張材 → 収縮ひび割れの低減

アルカリシリカ反応|膨張とひび割れを生じる

アルカリシリカ反応は、コンクリート中のアルカリと反応性のある骨材中のシリカが反応し、吸水膨張するゲルを生成する現象です。

膨張によってコンクリートにひび割れが生じ、耐久性へ影響を与えることがあります。

アルカリシリカ反応の抑制対策

材料・配合面では、次の対策を確認します。

  1. コンクリート中のアルカリ総量を抑制する
  2. 抑制効果のある混合セメントなどを使用する
  3. 安全と認められる骨材を使用する

覚える数値

コンクリート1m³に含まれるアルカリ総量を、Na2O換算で3.0kg以下とします。

間違えやすい点

膨張材は収縮ひび割れの低減に使用します。アルカリシリカ反応を抑制する材料として覚えないようにしましょう。

試験で間違えやすい組合せ

確認したいこと対応する材料・値
初期強度が必要早強ポルトランドセメント
水和熱を抑えたい中庸熱・低熱ポルトランドセメントなど
ポゾラン反応フライアッシュ・シリカフューム
潜在水硬性高炉スラグ微粉末
耐凍害性の改善AE剤による微細な独立気泡
収縮ひび割れの低減膨張材
ASR抑制アルカリ総量の抑制、混合セメント、安全な骨材

過去問3問で確認|どこを見れば判断できる?

以下は、1級土木施工管理技術検定の旧「学科試験」で出題された内容を、学習用に要約したものです。

最初に自分で答えを考え、その後に「解答と解説」を開いてください。

令和元年度|コンクリート用細骨材

次の説明のうち、不適当なものはどれでしょうか。

  1. 高炉スラグ細骨材は、天然細骨材と混合して使用される場合がある。
  2. 砕砂は、細長い粒や偏平な粒が少ないものを選ぶ。
  3. 細骨材中の粘土塊量は、所定の試験によって確認する。
  4. 再生細骨材Lは、一般のレディーミクストコンクリート用骨材として使用できる。
解答と解説を開く

正解は4です。

再生骨材Lは、用途が限定される低品質の再生骨材です。一般のレディーミクストコンクリートに通常の骨材と同様に使用できるものではありません。

平成30年度|骨材の性質

次の説明のうち、不適当なものはどれでしょうか。

  1. ASR対策として、安全と認められる骨材を使用する。
  2. 多孔質な骨材は吸水率が大きく、耐凍害性へ影響する場合がある。
  3. 再生骨材Hは、一般の骨材と同様の用途に利用できる。
  4. 砕砂に含まれる石粉は必ず材料分離を増加させるため、すべて除去する。
解答と解説を開く

正解は4です。

石粉は単位水量を増加させる場合がありますが、適量であればワーカビリティーを改善し、材料分離を抑える効果もあります。

令和元年度|混和材料

次の説明のうち、不適当なものはどれでしょうか。

  1. フライアッシュは、長期強度の増進などが期待できる。
  2. シリカフュームは、水密性や化学抵抗性の改善に利用される。
  3. 膨張材は、アルカリシリカ反応の抑制を主な目的として使用する。
  4. 石灰石微粉末は、材料分離やブリーディングの低減に利用される。
解答と解説を開く

正解は3です。

膨張材は、主に乾燥収縮や硬化収縮などによるひび割れを低減するために使用します。アルカリシリカ反応の代表的な抑制対策ではありません。

まとめ|材料・特徴・用途を一組で覚える

コンクリート材料について、重要な組合せを確認しましょう。

  • 細骨材:5mmふるいを質量で85%以上通過する
  • 粗骨材:5mmふるいに質量で85%以上とどまる
  • 表面乾燥飽水状態:骨材内部は水で満たされ、表面は乾燥している
  • 早強セメント:初期強度が必要な工事に使用する
  • フライアッシュ:ポゾラン反応を利用する
  • 高炉スラグ微粉末:潜在水硬性を利用する
  • 混和剤:使用量が少なく、一般に容積を配合計算で考慮しない
  • 混和材:比較的多量に使用し、容積を配合計算で考慮する
  • ASR対策:アルカリ総量、混合セメント、安全な骨材を確認する

復習するときは、材料名を見て「コンクリートへどのような性質を与えるか」を自分の言葉で説明してみましょう。

続けて学習する場合は、次の記事もどうぞ。

参考資料

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