建設現場で使うコンクリートの多くは、工場で練り混ぜて現場へ運ばれるレディーミクストコンクリートです。一般には「生コン」や「レミコン」と呼ばれます。この記事では、発注時の呼び方から運搬、現場での受入検査までを、初めて学ぶ人向けに順番に整理します。
- 生コンは「工場でつくって、固まる前に現場へ届けるコンクリート」
- 発注では、種類・呼び強度・スランプ・粗骨材の最大寸法をまず確認する
- 現場では、納入書と試験結果を照合してから打込みへ進む
レディーミクストコンクリートとは
レディーミクストコンクリートは、設備を備えた工場で材料を計量・練り混ぜし、まだ固まっていない状態で工事現場へ運ばれるコンクリートです。品質は主にJIS A 5308に基づいて管理されます。
フレッシュコンクリートが「まだ固まっていないコンクリート」という状態を表すのに対し、レディーミクストコンクリートは「工場で製造し、購入者へ納入する製品」という意味合いです。
生コン工場を選ぶときの確認点
価格や距離だけで決めず、必要な品質と数量を、予定時刻までに安定して供給できるかを確認します。工事仕様書に指定がある場合は、そちらを優先します。
| 確認項目 | 見る理由 |
|---|---|
| JISマークなど | 要求する規格・品質に対応できる工場かを確認するため |
| 製造能力 | 打込み計画に必要な数量を連続して出荷できるか確かめるため |
| 運搬時間 | 交通状況を含め、時間内に現場へ届けられるか判断するため |
| 品質管理体制 | 試験設備、記録、異常時の連絡体制などを確認するため |
発注時に押さえる4つの基本
生コンを発注するときは、まず次の4項目を読み取れるようにしましょう。これらに加えて、セメントの種類や耐久性に関する条件などを、設計図書に応じて指定します。
普通・軽量・舗装・高強度など、用途に合う区分
強度区分を表す数値。設計基準強度と同じとは限らない
軟らかさの目安。流動性の高いものはスランプフローで指定
使用する砂利などの大きさを表す代表値
配合表示の読み方
注文書や納入書では、必要な性能を短い記号で表します。たとえば次の表示です。
| 表示 | 意味 | この例 |
|---|---|---|
| 種類 | コンクリートの区分 | 普通コンクリート |
| 呼び強度 | 強度区分 | 24 |
| スランプ | 軟らかさの指定値 | 8 cm |
| 粗骨材の最大寸法 | 粗骨材の最大寸法 | 20 mm |
| セメントの種類 | 使用するセメントの記号 | N(普通ポルトランドセメント) |
指定事項は性能と施工条件から決める
基本4項目以外にも、構造物の用途や環境、施工方法に応じた条件があります。丸暗記するより、「何のための指定か」で分類すると理解しやすくなります。
セメント、骨材、混和材料など。耐久性や施工性に関係します。
水セメント比、単位水量、空気量など。品質確保の基準になります。
流動性、打込み方法、気温や運搬条件など。現場で扱える配合につなげます。
運搬で重要なのは時間と状態管理
コンクリートは、練り混ぜ後から少しずつ性状が変化します。そのため、工場から現場までの距離だけでなく、積込み、交通、待機、荷卸しを含めた時間管理が必要です。
JIS A 5308では、練混ぜ開始から荷卸し地点へ到着するまでを原則1.5時間以内としています。購入者と生産者の協議で条件を定める場合もあるため、工事仕様を必ず確認します。
- 工場から現場までの所要時間を事前に調べる
- 打込み速度と配車間隔を合わせ、長時間待機を避ける
- 到着時刻と練混ぜ開始時刻を納入書で確認する
- 現場判断で水を加えない
現場で行う受入検査
到着した生コンが注文内容と合っているか、打込みに使える状態かを確認します。検査項目や頻度は工事仕様によって異なるため、試験計画を先に決めておくことが大切です。
| 確認・試験 | 主に確かめること |
|---|---|
| 納入書 | 指定した配合、数量、練混ぜ開始時刻などが合っているか |
| 目視・温度 | 材料分離や異常がないか、温度条件を満たすか |
| スランプ等 | 施工に必要な軟らかさ・流動性があるか |
| 空気量 | 所定の空気量が確保されているか |
| 塩化物量 | 鉄筋腐食につながる塩化物が基準内か |
| 圧縮強度 | 供試体を採取し、所定材齢で必要な強度を確認できるか |
現場チェックリスト
- 注文した配合と納入書の表示が一致している
- 練混ぜ開始から到着までの時間を確認した
- コンクリートに分離、著しい硬化などの異常がない
- 試験器具と供試体型枠、記録用紙を準備した
- 不適合時の連絡先と処置手順を共有した
- 打込み場所・人員・ポンプ車の準備ができている
理解度チェック
Q1. 「普通 24-8-20 N」の「8」は何を表す?
答えを見る
スランプの指定値8 cmです。
Q2. 生コンが硬く感じたため、現場で水を加えてよい?
答えを見る
いけません。強度や耐久性に影響するため、勝手に加水せず、監督者と生産者へ連絡します。
Q3. 受入検査で最初に照合したい書類は?
答えを見る
納入書です。配合、数量、時刻などが注文内容と一致しているか確認します。
1級土木の過去問にチャレンジ
過去問 1/3|令和8年度 第一次検定
問題A No.12をもとに再構成
問題:コンクリートに用いるセメントに関する記述のうち、適切でないものを1つ選んでください。
- 普通ポルトランドセメントと高炉セメントの生産量の合計は、全セメントの約9割を占める。
- 高炉セメントB種に含まれる高炉スラグの割合は、質量で15%程度である。
- 早強ポルトランドセメントは、早期に強度が必要なプレストレストコンクリート工事などに使用される。
- 中庸熱ポルトランドセメントは、水和熱を抑えたいダムコンクリート工事などに使用される。
正答と解説を見る
正答:2
高炉セメントB種の高炉スラグ分量は、15%程度ではありません。B種は高炉スラグを質量で30%を超え60%以下含む区分です。
生コンの配合表示にあるセメント記号は、強度の出方、水和熱、耐久性や養生期間にも関係します。発注時は記号だけでなく、採用理由まで確認すると理解が深まります。
過去問 2/3|令和8年度 第一次検定
問題A No.13をもとに再構成
問題:コンクリートの配合に関する記述のうち、適切でないものを1つ選んでください。
- 配合強度は、1回の試験値が設計基準強度を下回る確率が5%以下となるよう定める。
- JIS A 5308では、荷卸し地点における普通コンクリートの空気量の目標値を4.5%としている。
- 水セメント比は、強度・耐久性・物質透過への抵抗性などから定まる値のうち、最も小さい値を採用する。
- スランプは、運搬・打込み・締固めができる範囲で、できるだけ大きく設定する。
正答と解説を見る
正答:4
スランプは、施工できる範囲でできるだけ小さく設定するのが基本です。必要以上に大きくすると、材料分離や品質低下につながりやすくなります。
「軟らかいほど施工しやすい」だけで判断せず、部材形状、鉄筋間隔、締固め方法などに合う値を選びます。
過去問 3/3|令和8年度 第一次検定
問題B No.16をもとに再構成
問題:JIS A 5308に基づくレディーミクストコンクリートの受入検査について、判定が適切でないものを1つ選んでください。
- 指定スランプ12.0 cmに対し、試験結果が10.0 cmだったので合格とした。
- 指定空気量4.5%に対し、試験結果が2.5%だったので合格とした。
- 塩化物イオン量が0.20 kg/m³だったので合格とした。
- 呼び強度30で、3回の圧縮強度試験が32、28、33 N/mm²だったので合格とした。
正答と解説を見る
正答:2
指定空気量4.5%に対する許容差は通常±1.5%です。合格範囲は3.0~6.0%となるため、2.5%は範囲外です。
1のスランプ10.0 cmは、指定12.0 cmに対する許容差の範囲内です。3の塩化物イオン量0.20 kg/m³は上限値以下です。4は3回の平均が31 N/mm²で呼び強度以上となり、各回も呼び強度の85%以上です。
※3問とも学習用として問題文の表現・構成を再整理しています。正式な問題と正答は、全国建設研修センターの公開資料をご確認ください。
まとめ
- 生コンは、品質管理された工場で製造し、固まる前に現場へ届ける
- 発注時は「種類・呼び強度・スランプ等・粗骨材の最大寸法」を軸に確認する
- 運搬は時間と配車を計画し、現場で水を加えない
- 納入書、外観、各種試験を確認してから打込みへ進む


