レディーミクストコンクリートとは|種類・指定事項・運搬を解説【コンクリート工④】

生コン工場から建設現場へ向かうトラックアジテータ コンクリート工

建設現場で使うコンクリートの多くは、工場で練り混ぜて現場へ運ばれるレディーミクストコンクリートです。一般には「生コン」や「レミコン」と呼ばれます。この記事では、発注時の呼び方から運搬、現場での受入検査までを、初めて学ぶ人向けに順番に整理します。

この記事のポイント

  • 生コンは「工場でつくって、固まる前に現場へ届けるコンクリート」
  • 発注では、種類・呼び強度・スランプ・粗骨材の最大寸法をまず確認する
  • 現場では、納入書と試験結果を照合してから打込みへ進む

レディーミクストコンクリートとは

レディーミクストコンクリートは、設備を備えた工場で材料を計量・練り混ぜし、まだ固まっていない状態で工事現場へ運ばれるコンクリートです。品質は主にJIS A 5308に基づいて管理されます。

フレッシュコンクリートが「まだ固まっていないコンクリート」という状態を表すのに対し、レディーミクストコンクリートは「工場で製造し、購入者へ納入する製品」という意味合いです。

生コンが現場へ届くまで
1製造材料を計量し、工場のミキサで練り混ぜる

2運搬トラックアジテータでかき混ぜながら運ぶ

3受入納入書・外観・各種試験を確認する

4打込み適合を確認し、施工を始める

注意:トラックアジテータは、工場で練り混ぜたコンクリートを均一な状態に保ちながら運ぶ車両です。車両のドラムだけで材料からコンクリートを製造するものではありません。

生コン工場を選ぶときの確認点

価格や距離だけで決めず、必要な品質と数量を、予定時刻までに安定して供給できるかを確認します。工事仕様書に指定がある場合は、そちらを優先します。

確認項目見る理由
JISマークなど要求する規格・品質に対応できる工場かを確認するため
製造能力打込み計画に必要な数量を連続して出荷できるか確かめるため
運搬時間交通状況を含め、時間内に現場へ届けられるか判断するため
品質管理体制試験設備、記録、異常時の連絡体制などを確認するため

発注時に押さえる4つの基本

生コンを発注するときは、まず次の4項目を読み取れるようにしましょう。これらに加えて、セメントの種類や耐久性に関する条件などを、設計図書に応じて指定します。

01コンクリートの種類

普通・軽量・舗装・高強度など、用途に合う区分

02呼び強度

強度区分を表す数値。設計基準強度と同じとは限らない

03スランプ等

軟らかさの目安。流動性の高いものはスランプフローで指定

04粗骨材の最大寸法

使用する砂利などの大きさを表す代表値

配合表示の読み方

注文書や納入書では、必要な性能を短い記号で表します。たとえば次の表示です。

普通24820N
表示意味この例
種類コンクリートの区分普通コンクリート
呼び強度強度区分24
スランプ軟らかさの指定値8 cm
粗骨材の最大寸法粗骨材の最大寸法20 mm
セメントの種類使用するセメントの記号N(普通ポルトランドセメント)
覚え方:「何のコンクリートか → 強度 → 軟らかさ → 骨材の大きさ → セメント」の順に読むと整理しやすくなります。実際の表記と選定は、設計図書・工事仕様書・最新版の規格に従ってください。

指定事項は性能と施工条件から決める

基本4項目以外にも、構造物の用途や環境、施工方法に応じた条件があります。丸暗記するより、「何のための指定か」で分類すると理解しやすくなります。

材料に関する条件

セメント、骨材、混和材料など。耐久性や施工性に関係します。

性能に関する条件

水セメント比、単位水量、空気量など。品質確保の基準になります。

施工に関する条件

流動性、打込み方法、気温や運搬条件など。現場で扱える配合につなげます。

運搬で重要なのは時間と状態管理

コンクリートは、練り混ぜ後から少しずつ性状が変化します。そのため、工場から現場までの距離だけでなく、積込み、交通、待機、荷卸しを含めた時間管理が必要です。

標準の目安1.5時間以内

JIS A 5308では、練混ぜ開始から荷卸し地点へ到着するまでを原則1.5時間以内としています。購入者と生産者の協議で条件を定める場合もあるため、工事仕様を必ず確認します。

  • 工場から現場までの所要時間を事前に調べる
  • 打込み速度と配車間隔を合わせ、長時間待機を避ける
  • 到着時刻と練混ぜ開始時刻を納入書で確認する
  • 現場判断で水を加えない
現場での加水はNG:水を足すと水セメント比が変わり、強度低下、ひび割れ、材料分離などの原因になります。扱いにくい場合も、勝手に調整せず監督者と生産者へ連絡します。

現場で行う受入検査

到着した生コンが注文内容と合っているか、打込みに使える状態かを確認します。検査項目や頻度は工事仕様によって異なるため、試験計画を先に決めておくことが大切です。

受入れから打込みまでの確認順序
1納入書配合・時刻・数量
2状態外観・温度
3試験スランプ・空気量など
4供試体圧縮強度試験用
5判定適合後に打込み

確認・試験主に確かめること
納入書指定した配合、数量、練混ぜ開始時刻などが合っているか
目視・温度材料分離や異常がないか、温度条件を満たすか
スランプ等施工に必要な軟らかさ・流動性があるか
空気量所定の空気量が確保されているか
塩化物量鉄筋腐食につながる塩化物が基準内か
圧縮強度供試体を採取し、所定材齢で必要な強度を確認できるか

現場チェックリスト

  • 注文した配合と納入書の表示が一致している
  • 練混ぜ開始から到着までの時間を確認した
  • コンクリートに分離、著しい硬化などの異常がない
  • 試験器具と供試体型枠、記録用紙を準備した
  • 不適合時の連絡先と処置手順を共有した
  • 打込み場所・人員・ポンプ車の準備ができている

理解度チェック

Q1. 「普通 24-8-20 N」の「8」は何を表す?

答えを見る

スランプの指定値8 cmです。

Q2. 生コンが硬く感じたため、現場で水を加えてよい?

答えを見る

いけません。強度や耐久性に影響するため、勝手に加水せず、監督者と生産者へ連絡します。

Q3. 受入検査で最初に照合したい書類は?

答えを見る

納入書です。配合、数量、時刻などが注文内容と一致しているか確認します。

1級土木の過去問にチャレンジ

過去問 1/3|令和8年度 第一次検定
問題A No.12をもとに再構成

問題:コンクリートに用いるセメントに関する記述のうち、適切でないものを1つ選んでください。

  1. 普通ポルトランドセメントと高炉セメントの生産量の合計は、全セメントの約9割を占める。
  2. 高炉セメントB種に含まれる高炉スラグの割合は、質量で15%程度である。
  3. 早強ポルトランドセメントは、早期に強度が必要なプレストレストコンクリート工事などに使用される。
  4. 中庸熱ポルトランドセメントは、水和熱を抑えたいダムコンクリート工事などに使用される。
正答と解説を見る

正答:2

高炉セメントB種の高炉スラグ分量は、15%程度ではありません。B種は高炉スラグを質量で30%を超え60%以下含む区分です。

生コンの配合表示にあるセメント記号は、強度の出方、水和熱、耐久性や養生期間にも関係します。発注時は記号だけでなく、採用理由まで確認すると理解が深まります。

過去問 2/3|令和8年度 第一次検定
問題A No.13をもとに再構成

問題:コンクリートの配合に関する記述のうち、適切でないものを1つ選んでください。

  1. 配合強度は、1回の試験値が設計基準強度を下回る確率が5%以下となるよう定める。
  2. JIS A 5308では、荷卸し地点における普通コンクリートの空気量の目標値を4.5%としている。
  3. 水セメント比は、強度・耐久性・物質透過への抵抗性などから定まる値のうち、最も小さい値を採用する。
  4. スランプは、運搬・打込み・締固めができる範囲で、できるだけ大きく設定する。
正答と解説を見る

正答:4

スランプは、施工できる範囲でできるだけ小さく設定するのが基本です。必要以上に大きくすると、材料分離や品質低下につながりやすくなります。

「軟らかいほど施工しやすい」だけで判断せず、部材形状、鉄筋間隔、締固め方法などに合う値を選びます。

過去問 3/3|令和8年度 第一次検定
問題B No.16をもとに再構成

問題:JIS A 5308に基づくレディーミクストコンクリートの受入検査について、判定が適切でないものを1つ選んでください。

  1. 指定スランプ12.0 cmに対し、試験結果が10.0 cmだったので合格とした。
  2. 指定空気量4.5%に対し、試験結果が2.5%だったので合格とした。
  3. 塩化物イオン量が0.20 kg/m³だったので合格とした。
  4. 呼び強度30で、3回の圧縮強度試験が32、28、33 N/mm²だったので合格とした。
正答と解説を見る

正答:2

指定空気量4.5%に対する許容差は通常±1.5%です。合格範囲は3.0~6.0%となるため、2.5%は範囲外です。

1のスランプ10.0 cmは、指定12.0 cmに対する許容差の範囲内です。3の塩化物イオン量0.20 kg/m³は上限値以下です。4は3回の平均が31 N/mm²で呼び強度以上となり、各回も呼び強度の85%以上です。

※3問とも学習用として問題文の表現・構成を再整理しています。正式な問題と正答は、全国建設研修センターの公開資料をご確認ください。

まとめ

  • 生コンは、品質管理された工場で製造し、固まる前に現場へ届ける
  • 発注時は「種類・呼び強度・スランプ等・粗骨材の最大寸法」を軸に確認する
  • 運搬は時間と配車を計画し、現場で水を加えない
  • 納入書、外観、各種試験を確認してから打込みへ進む
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